ニュース

お知らせ記事2026/04/22

令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞

令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者が4月7日に文部科学省にて決定され、4月15日に表彰式が執り行われました。

かばねりスロットから科学技術賞を1件、若手科学者賞を2件受賞しました。

この表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績をたたえることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的として行われています。

 

科学技術賞

受賞者

賞状を持つ玉木副研究センター長の写真

生命工学領域 バイオものづくり研究センター
玉木 秀幸 副研究センター長

 

業績名、概要

「未知微生物資源の開拓と利活用に関する研究」

地球上の微生物の大半は未知の生物であり、未利用微生物資源の開拓と活用はバイオエコノミー社会の実現に向けて大きな可能性を有している。近年隆盛を極める環境ゲノム情報解析研究は、環境中に膨大かつ多様に存在する未知微生物の実在を明らかにしてきた一方で、機能の多くは依然として未解明のままである。

本研究は、独自の培養技術により、未知の微生物を生きたまま獲得することで、ゲノム情報のみでは解き明かせないそれらの深淵な未知機能を紐解くとともにその利活用を推進したものである。本研究により、種を大きく超えて「門」のレベルで新規な微生物の分離培養に成功し、これまでに複数の新門学名を確立するとともに、疾患関連腸内細菌を制御する新規ファージ、植物生産性向上と病害抑制に寄与する微生物、地下資源からメタンを生成する微生物などを見いだし、メディカル・ヘルスケアバイオ、アグリバイオ、環境バイオ分野に新たな研究潮流と応用展開をもたらした。

本成果は、未知微生物の分離培養を起点として機能解明から社会実装までをつなげる独創的研究として位置付けられ、今後、幅広い産業分野におけるマイクロバイオーム活用と持続可能社会の実現に寄与することが期待される。

関連リンク

若手科学者賞

受賞者

賞状を持つ津村遼介産業技術企画調査員写真

経営企画本部 経営企画本部企画部 企画室
(兼務)研究戦略本部 セルフケア実装研究センター 遠隔セルフケア技術研究チーム付
(兼務)生命工学領域 健康医工学研究部門 治療診断技術研究グループ付
津村 遼介 産業技術企画調査員

 

業績名、概要

「ロボットによる医療の自動化と省力化に関する研究」

少子高齢化に伴い深刻化する医療者の働き手世代の人手不足の問題に対して、医療業務の自動化と省力化の需要が顕在化している。

受賞者は、超音波検査及び聴診を対象としたロボットによる検査の自動化と省力化に関する研究を行っており、要素技術の確立から、ヒトを対象とした実証実験、社会実装への導出まで一連の研究を実施した。従来、医療者が経験に基づいて行っていた検査手技について、解剖学的知識を基盤とした思考 - 動作プロセスを構造化し、システムに実装することで、ロボットによる検査の実現可能性を示した。

本研究成果は、検査の自動化と省力化に資する技術であり、今後の日本の医療の質と地域格差是正に貢献する極めて意義深いものになると期待される。

受賞者

賞状を持つ山田翔太上級主任研究員写真

情報・人間工学領域 サイバーフィジカルセキュリティ研究部門 高機能暗号研究グループ
山田 翔太 上級主任研究員

 

業績名、概要

「高機能暗号の機能的柔軟性と効率性の向上に関する理論的研究」

高機能暗号である属性ベース暗号や放送型暗号は、暗号化時に柔軟なアクセス制御を埋め込むことを可能とする重要な基盤技術であるが、表現力を高めるほど暗号文や鍵のサイズが増大し、効率性が著しく低下するという根本的課題を抱えていた。

受賞者は、格子構造および双線形写像の準同型性を機能拡張のみならず効率化にも活用するという新たな設計原理に着目し、異なる準同型性を補完的に統合することで、漸近的最適効率と高い結託耐性を両立する放送型暗号および高機能属性ベース暗号を実現した。

本研究成果は、次世代コンテンツ配信やクラウド環境における安全な情報利活用の理論基盤を強化し、情報漏えいリスクの低減と高度なデジタル社会の実現に寄与するものと期待される。

関連リンク